このページの内容
・楽器を増やして、音を少し豪華にする
・よくある不協和「短二度」「三全音」
・コーラス(ハモリ)の追加
・編曲前後の聴き比べ
前回までで、ドラムとベースが完成しました。
このページの内容・ルート以外のベースラインの付け方・ベースラインの違いによる雰囲気の違いを確かめる 前回、ドラムのアレンジが完了しました。 [sitecard subtitle=前回はコチラ url=https://r[…]
今回は、音を少し追加して全体的に少しだけ派手にします。
ちなみに、編曲基礎は今回で終了です。
つまり今回で曲が完成するというわけですね。
コード楽器を増やす
今回の曲のコードを担当している楽器はギター1つだけです。
しかも、ただひたすら4分音符で鳴っているだけなので単調な感じがしますね。
なので、更にギターを追加してみます。
コード進行を補う
1つ目のギターは、イントロからアウトロまで全部追加します。
鳴らすコードは同じで、リズムを変えてみます。
4分音符→8分音符→4分音符→8分音符→4分音符で1小節分(4拍)になるので、このリズムで鳴るギターを追加しましょう。
タンタタンタタン、タンタタンタタン、という感じですね。
ギターを追加した分、コード進行が強く出すぎて他の音が埋もれる場合があります。
なので、最初に作った4分音符だけのギターも少し音を小さくします。
また、今回追加したギターと、最初からある4分音符のギターは、少しだけ左右にパンを振り分けます。
サビに迫力を出す
2つ目のギターは、サビと間奏だけ追加します。
これは、サビの盛り上げ感を作るためです。
ただし、サビの音が多すぎて曲がボヤけないように、音は小さめにしました。
このギターが鳴らすコードの音は、ベースの音と同じ音程にして階段状のライン作りを手伝います。
ベースと同じ音をコードのルートとし、それに完全五度(半音7つ分離れた五度)の音を加えた2つの音を鳴らします。
この様な、ルート音と完全五度の音だけを鳴らしたコードを「パワーコード」といいます。
ルート音に足すのは、半音で7つ分離れた「完全五度」です。
シに対する完全五度は「ファ#」で、これはCメジャーキーには無い音なので扱いには注意が必要です。
パワーコードを使うときでも、楽譜上にパワーコードである旨を表記する事はほとんどありません。
あえて表記するならば、Cコードの場合は「C5」と書きます。
これは、ルートの音に5度の音を足しているからかと思われます。
パワーコードはロックやパンクなどの激しい曲では非常によく使われていますし、かっこいい上に簡単(主観)なのでおすすめです。
パワーコードには、メジャーコードやマイナーコードの概念がありません。
作曲基礎2.2の余談に書きましたが、メジャーかマイナーかを決めるのは、コード構成音のⅢ度の音です。
Ⅰ度とⅤ度だけで作られるパワーコードは、そもそもⅢ度が構成音に無いので、メジャーでもマイナーでもないのです。
また、トニックやドミナントなどの機能、主要和音か代理和音かもそれほど気にしなくていいです。
それが「ロック」です。(ドヤァ)
サビのコード進行はC→G→Am→Em→F→C→F→Gで、そのときのベース音はド→シ→ラ→ソ→ファ→ミ→ファ→ソでしたね。
下図の赤文字がベースが鳴らす音です。
ベース音が鳴らすド→シ→ラ→ソ→ファ→ミ→ファ→ソをパワーコードにすると、C→B→A→G→F→E→F→Gです。
これを上にあるパワーコードの表と照らし合わせると、このギターが鳴らすパワーコードはドソ→シファ#→ラミ→ソレ→ファド→ミシ→ファド→ソレとなります。
パワーコード、ベース、ドラムの3つだけだとこうなります。
ロックな感じがしますね!かっこいいので好きです。
このカッコいいパワーコードを、普通のコードを奏でているギターと重ねてみます。
これはめっちゃカッコよくなるんやろなぁ・・・
・・・2小節目と6小節目の響きに違和感がありますね。パチ屋の前を通った時みたいな音がします。
不協和な「短二度」
2小節目と6小節目がパチ屋の前を通った時みたいな違和感のある響きになっているのには理由があります。
上の図の通りにパワーコードを乗せると、2小節目のGコード(ソシレ)の部分のパワーコードがB(シファ#)となります。
Gコードの構成音であるソと、Bのパワーコードの構成音であるファ#は半音隣ですね。
また、6小節目のCコード(ドミソ)の部分のパワーコードがE(ミシ)となっています。
Cコードの構成音であるドと、Eのパワーコードであるシも半音隣です。
この様な半音1つ分で離れた二度の関係の音を短二度といいます。
そして、短二度を含む和音は響きが悪くなります。
この様な響きの悪い和音を不協和音といいます。
キモさの原因は、短二度による不協和音が出来ていたからですね。
短二度による不協和音は、簡単に言うと「半音隣の音を同時に鳴らすと響きが悪い」と覚えて下さい。
不協和音は使ってはダメという訳ではなくて、必要じゃない時は使わない方が良いです。
使い方によっては、非常に重要な役割を持ちます。
ちなみにCメジャーキーの音(ドレミファソラシ)で短二度の関係にある音は2通りです。
シとド、それとミとファです。
ゼルダの伝説が好きな人はシドとミファーで覚えればいいです。
ブレスオブザワイルドの記憶を消してもう一回やりたい
ということで、パワーコードを改良して不協和音を解決しましょう。
2小節目のGコード(ソシレ)の部分のパワーコードがB(シファ#)です。
パワーコードのファ#を半音上げてソにして、シソにします。
シソなら、それぞれGコードの構成音なので馴染むはずです。
次に、6小節目のCコード(ドミソ)の部分のパワーコードがE(ミシ)です。
パワーコードのシを半音上げてドにして、ミドにします。
ミドなら、それぞれCコードの構成音なので馴染むはずです。
ゼルダの伝説 時のオカリナのコキリ族にミドっていましたね。
ちなみにダイゴロン刀のイベントであやしいクスリを渡すと密猟者のノコギリをくれるコキリ族の女の子の名前はファドらしいです。Fのパワーコードですね。
よって、サビのコード進行C→G→Am→Em→F→C→F→Gで追加するギターのパワーコードはドソ→シソ→ラミ→ソレ→ファド→ミド→ファド→ソレになりました。
間奏はあえてベースと同じく、コードのルート音を基準にします。
それに5度の音を加えるので、単純にコード構成音の1つ目と3つ目になります。
C→G→Am→Em→F→C→F→Gなので、ドソ→ソレ→ラミ→ミシ→ファド→ドソ→ファド→ソレですね。
残りのサビはさっきのサビと同様です。
そしてアウトロにはこのギターは出て来ません。
ついでにBメロの最後の1拍にGのパワーコード(ソレ)を追加します。
もう1つやりがちな不協和音「三全音」
なんとなく曲を作っていると、いきなり不協和音が発生することがあります。
それが短二度だったりしますが、もう1つやってしまいがちな不協和音があります。
それは「三全音(トライトーン)」です。
三全音は、2つの音の高さの幅が全音3つ分(=半音6つ分)の関係であることです。
Cメジャーキーにおいて、三全音の関係にあるのは「ファ」と「シ」です。
コードの構成音にファかシがある時は、三全音に気をつけて下さい。
そしてミかファ、シかドがある時は、短二度に気をつけて下さい。
曲を作っていて「なんか響きがキモいな・・・」と感じた時は、短二度か三全音のどちらかである場合が多いです。
三全音(トライトーン)
短二度
耳直しの協和音(F→G→C)
ドラムとベースの再調整
コードやメロディが増えた分、全体的に音が大きくなりました。
それによって、相対的にドラムとベースが小さく聴こえる様になりました。
なので、ドラムとベースをもう1つずつ追加して、音が埋もれないようにします。
追加するドラムとベースは、今ある音と全く同じ音を鳴らすようにします。
ついでに、ドラムはドラムでも別のドラムにして、2種類の楽器を重ねることにより音色を微調整します。
これは、作曲基礎2.10でイントロを作った時に使った手法です。
ベースも同様に、2種類のベースで同じ音を重ねて微調整します。
両方ともパンは振りません。ど真ん中でいきます。
理由は作曲基礎2.10で書いた通りです。
例として、イントロで調整してみます。
ドラムの調整
今回のドラムは「Socal」です。
これに、低音感が強いドラム「Roots」を追加します。
Roots単品だとこうなります。
※クラッシュシンバルは同じものを使っています。
この2つを組み合わせて調整するとこうなります。
Socalを強めにして、Rootsは小さくして装飾として使いました。
ベースの調整
今回のベースは「Liverpool」です。
これに、音の輪郭がはっきりとしたベース「Picked」を追加します。
Picked単品だとこうなります。
この2つを組み合わせて調整するとこうなります。
Liverpoolを強めにして、Pickedは小さくして輪郭の強調用に使いました。
サブのメロディを追加する
イントロとAメロのコード進行が同じなので、Aメロにイントロのメロディを足してみます。
しかも今回のイントロのメロディは、コードの構成音だけで作りました。
なので、コード進行が同じAメロにそのまま流用しても馴染むはずです
これにより、Aメロの繰り返す部分に変化をつけることによって、聴く人の飽きを防ぐ狙いです。
しかし、あくまでも装飾なので、目立ちすぎないように音を小さめにします。
そして、真ん中で鳴っているとメロディの邪魔になるかもしれないので、少しだけパンを振り、音が聞こえる位置を横にずらしています。
コーラス(ハモリ)を追加する
まずは現状のサビを確認します。
ギター、パワーコードのギター、ベース、ドラムを追加したので豪華になりました。
サビを更に派手にするために、コーラスを追加してみます。いわゆるハモリですね。
コーラスの基本は、流れているメロディのⅢ度下またはⅢ度上です。
それで響きが悪く感じたら、Ⅳ度やⅤ度も使ってみると良い感じです。
今回は、基本はメロディのⅢ度下の音を使います。
もしそれがコードの構成音ではない場合は、メロディのⅣ度下かⅤ度下を使って、コードの構成音だけでコーラスができる様にしました。
コーラスの音をコードの構成音だけにすれば、変な響きにはなりづらいです。
音楽理論的には良くない部分もありますが、気にせずいきましょう。
こうして完成したコーラスを聴いてみましょう
これをメロディと組み合わせてみます。
コーラスはあくまでもメロディを引き立てるものなので、音は小さめにします。
まぁいい感じです。
後は曲全体の雰囲気を確認して微調整すれば完成ですね。
聴き比べ
微調整が出来たら、編曲は完了です。
編曲する前と聴き比べてみましょう。
あ、しれっと間奏もギター1本追加してます。
作曲完成時
編曲完成時
というわけで、1曲完成しました。
iPhoneの打ち込みだけでも、これくらいなら初心者でも可能です。
やり方や必要な知識は全部書いたつもりなので、是非挑戦してみて下さい。
ちなみに、メロディ関係はアレンジしていません。
もし後で歌詞をつけた時に、メロディの音の数や高さを調整するためです。
歌詞をつけないのであれば、それはそれでメロディをアレンジすればいいです。
それはもう出来ると思います。
まとめ
とりあえず音を足せば何とかなる
作曲に慣れてくると、音を足しすぎない様に気をつければいい
ルートに完全五度の音を加えた和音をパワーコードという
曲を作っていて響きが汚くなった時は、短二度(2つの音の幅が半音1つ)か三全音(2つの音の幅が半音6つ)の関係になっていないか確認する
Cメジャーキーにおいては、「ド」「ミ」「ファ」「シ」の音を使う時に起こりやすい
これでズボラ音楽理論の基礎編は終了です。
おまけ編や発展編はいつか作りたいなぁとは思います。
追記:おまけ編つくりました。
もしよければどうぞ。
まずはこれをお聴き下さい ちゃんと計ってないですが、この曲はたぶん15分くらいで作りました。 誰でも(iPhoneさえあれば)このクオリティの曲を作れる方法があります。 しかも、知識やコツは必要ありません。 […]
追記:発展編つくりました。
もしよろしければどうぞ。
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画像引用元
マッスルプラス
https://freephotomuscle.com
目からマッチョを補給して筋トレのモチベーションを上げています。
参考文献(?)
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
https://www.nintendo.co.jp/zelda/index.html
ゼルダの伝説 時のオカリナ
https://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/zelda/index.html
ゼルダの伝説 時のオカリナ3D
https://www.nintendo.co.jp/3ds/aqej/#/
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