このページの内容
・ルート以外のベースラインの付け方
・ベースラインの違いによる雰囲気の違いを確かめる
前回、ドラムのアレンジが完了しました。
このページの内容・ドラムの簡単なアレンジ方法は「叩くパターンの変更」と「フィルイン」・ドラムのアレンジによる雰囲気の違いを確かめる 前回の作曲基礎(実践編)にて、曲が完成しました↓ [sitecard subtitle[…]
今回は、4分音符でルートを鳴らしただけだったベースのアレンジを行います。
ベースのアレンジ方法は?
まず、ベースが弾く音をベースラインといいます。
今回の曲のベースラインは、コードのルートをなぞっただけですね。
ルート音だけのベースではシンプルすぎるので、ルート音以外も使ってみましょう。
考え方はおおよそメロディと同じで、コードの構成音を出せば違和感は小さいです。
例えばCコードであれば、ベースはドかミかソを鳴らせば大丈夫ですね。
もし構成音ではない音を鳴らす場合は、短めにすれば問題ありません。
特にコードの鳴らし始めと同じタイミングで鳴るベース音をルートにすれば、その後はある程度暴れても違和感は小さいです。
ベースラインの簡単アレンジ
ルート音以外のベースラインとは、具体的にどのようなものでしょうか?
簡単なものをご紹介します。
紹介したベースラインは、後で音源を載せていますので聴き比べてみて下さい。
①リズムを変えてみる
簡単なものは、全て4分音符にしたり、全て8分音符にするという手があります。
曲のテンポや雰囲気によって、4分音符にするか8分音符にするかを使い分けると良い感じです。
もちろん4分音符だけや8分音符だけではなく、色々な音符を混ぜても良いです。
②Ⅲ度やⅤ度にする
Ⅲ度(3度)やⅤ度(5度)はコードの構成音なので、比較的馴染みやすいです。
ルートと比べると、安定感がなくて不思議な感じがします。
③ルートとⅢ度またはⅤ度の往復
簡単で効果的なアレンジの一つとして、8分音符でルートとⅢ度またはⅤ度の音を往復させるモノがあります。
Cコード(ドミソ)が鳴っている時、ベースが「ドミドミドミドミ」または「ドソドソドソドソ」という感じです。
④コード進行を助ける
例えば、C→Emというコード進行があるとします。
ルートをなぞるベースならド→ミとなります。
8分音符で考えると、ドドドドドドドド→ミミミミミミミミという感じです。
そして、Cメジャーキーにおいては、ドとミの間にはレがあります。
なので、ドの最後の方をレにしてみます。
つまりドドドドドドドレ→ミミミミミミミミという風になります。
他には、C→Dmというコード進行があるとします。
ルートをなぞるベースならド→レとなります。
Cメジャーキーにおいてはドとレは隣(Ⅱ度)なので、そのままでも割となめらかです。
それを更になめらかにしたい時は、ドとレの間にあり、Cメジャーキーには無い「ド#」を一瞬だけ使います。
8分音符で考えると、ドドドドドドドド#→レレレレレレレレという感じです。
この様に、進行する先のコードへの橋渡し的な役割を与えることが出来ます。
そうすれば、コード進行が少しだけなめらかになります。
コツは、ベースでなめらかなラインを引く意識です。ベースラインのラインです。
⑤暴れまわる
好きにやっちゃって下さい。
さっき書いたとおり、コードの鳴らし始めと同じタイミングで鳴るベース音だけは、ルートにすればいいです。
ベースラインのアレンジ比較
ベースラインのアレンジを聴き比べてみます。
コード進行はC→F→G→Cの基本のやつです。
分かりやすい様に、ベース強めです。
1.ルート4分音符
2.ルート8分音符
3.Ⅲ度8分音符
4.Ⅴ度8分音符
5.ルートとⅢ度8分音符
6.ルートとⅤ度8分音符
7.ルートでコード進行をなめらかに
8.そして暴れまわる
簡単なものを挙げましたが、これ以外にも色々あります。
色々組み合わせてみても大丈夫です。
そして、どれが良いとか悪いとかではなくて、雰囲気に合わせてお好みで決めるのが大切かと思います。
ベースラインにも結構その人の個性が出て面白いんですよ。
堅実にルートをなぞる人もいれば、暴れまわって独特なラインを作る人もいて、それぞれが魅力的です。
イントロをアレンジする
イントロは全て8分音符にして、ルートとⅤ度の往復を使ってみました。
最後の1小節には、前回作ったドラムのフィルがインしています。
そこで、ベースもドラムのフィルインに合わせてみます。
今回のドラムのフィルインは8分音符でスネア→ハイタム→ロータム→スネア→ハイタム→ロータム→フロアタム(16分音符×4)となっています。
スネア→ハイタム→ロータムということは、ドラムの音が高→中→低となっています。
なので、ベースは反対に低→中→高という流れにしました。
ちなみに、その時のコードはCが鳴っているので、ベースはド→ミ→ソ→ド→ミ→ソとします。
これで8分音符を6つ使ったので、あと2つ8分音符でドを鳴らしてちょうど1小節分になりました。
まとめるとこうなります。
ドラムとベースのみの音源です。
Aメロをアレンジする
Aメロも、すべて8分音符にします。
これだけでも良いですが、コードチェンジをなめらかにする手伝いをしてみます。
やり方は前述の通りですが、念の為ある程度書いておきます。
Aのメロのコード進行をおさらいしてみると、C→F→G→Em→Am→Dm→G→Cとなっています。
まずは最初のC→Fの進行ををなめらかにしたいです。
ここで、Cメジャースケールで使える音はドレミファソラシの7種類ですね。
つまり、C(ド)→F(ファ)へなめらかにするためにはドシラソファと順番に鳴らせばいいという訳です。
Cコードは1小節分鳴るので、その間のベースはドドドドドドドドと8回のドが鳴ります。
次のファになめらかにつなぐために、ドドドドドシラソという様に最後の3つを変えてみました。
シとラはCコードの構成音ではないため、曲全体としてのどっしりとした感じは薄くなります。
しかし、コードの変わり目が少しキレイに流れる感じが出せました。
次のF→Gのコード進行は、ベースはF(ファ)→G(ソ)であり、そもそもCメジャーキーにおける隣の音(Ⅱ度)なので勝手になめらかになります。
しかし、ここで更になめらかにします。
ファとソの音の幅は半音で2つ分空いており、間に「ファ#」があるので、一瞬だけファ#を鳴らしてみます。
この曲はCメジャーキーの曲なので、ファ#は存在しないですが、一瞬だけなら代打で助っ人として登場させても違和感は少ないです。
Fコードが鳴っている1小節の間には、ベースは「ファファファファファファファファ」と8回のファが鳴ります。
その最後の1回だけファ#にして、ファ→ファ#→ソの半音ずつの流れを作ります。
続いてG→Emのコード進行も、ベースはG(ソ)→E(ミ)です。
ソ→ファ→ミの流れを作るために、ベースの最後の1つをファにしてソソソソソソソファにしました。
これ以降のAメロのコード進行は全て同様にします。
この様な感じで、階段のようなベースラインを作るとコードの進行がなめらかになります。
Aメロの終わりにドラムのフィルインが入りますが、ベースはそれに合わせずにルートを鳴らします。
まとめるとこうなります。
ドラムとベースのみの音源です。
Bメロをアレンジする
Bメロは、あえて4分音符を使ってみます。
Bメロはドラムのリズムを変えて、場面の転換を表現しました。
ベースもリズムを変えて、場面の転換がよりはっきりと伝わるようにと考えました。
Bメロのコード進行をおさらいすると、F→C→F→G→F→C→F→Gです。
まず最初にFコード(ファラド)ですね。
ベースは「ファラドファ」と順番にコードの構成音を登っていく様にしました。
次のCコード(ドミソ)の時も同様です。
ベースを「ドミソド」という順番で登っていきます。
次のFコードもまた同じです。
4小節目のGコード(ソシレ)の時に少し遊びを入れてみます。
最初の2つは同様に4分音符でソシと上るように鳴らします。
次も上りますが、8分音符でレにします。
そして下る様に8分音符でシに戻ります。
そのまま8分音符でラ、ソと下がっていきます。
「ソーシーレシラソ」という感じですね。
それにより、次のFコードのファに向けて勢いをつけつつ、Aメロでやったようにコード進行をなめらかにしてみます。
残りのF→C→Fはさっきと同じにします。
最後のGコードは、イントロの最後と同じドラムのフィルが入るのでベースもイントロと同じ様にします。
ただ、イントロの時はCコードの時にフィルインでした。
今回はGコード(ソシレ)が鳴っているので、ベースは8分音符で「ソシレソシレソソ」になりました。
まとめるとこうなります。
ドラムとベースのみの音源です。
サビをアレンジする
サビは8分音符にします。
コード進行は「カノン進行」の基本形をそのまま使ったので、C→G→Am→Em→F→C→F→Gとなっています。
ここで、カノン進行の本領を発揮させましょう。
各コードの構成音に注目すると、ド→シ→ラ→ソ→ファ→ミ→ファ→ソ とキレイに階段を作っています。
この美しい流れがカノン進行の特徴です。
せっかくなので、ベースの音はこれをなぞってみます。
つまりコード進行がC→G→Am→Em→F→C→F→Gと流れている時、ベース音はド→シ→ラ→ソ→ファ→ミ→ファ→ソとなります。キレイ。
次に、サビを繰り返した時のコード進行はC→G→Am→Em→F→C→(F→G)→Cです。
最後から2番目のGコードは、1小節の半分(2拍)であり、8分音符が4つ分です。
せっかくなので、ここに次のCコードに向けた階段を作ってコード進行をなめらかにしてみます。
つまりベースはGコードが鳴っている2拍分の間に「ソソラシ」と鳴らしてみます。
Cメジャーキーにおける導音である「シ」が、次のCコードのルート音「ド」への流れを作ります。
また、最後のCコードの時は、ドラムのフィルが入ります。
前奏の最後と同じパターンなので、その時と同じく8分音符で「ドミソドミソドド」にします。
まとめるとこうなります。
ドラムとベースのみの音源です。
間奏をアレンジする
間奏はサビと同じカノン進行ですが、あえてコードのルート音と同じ音を8分音符で鳴らしてみました。
サビで使った階段状のラインは使わないでおきます。
サビとの響きの違いを確認して下さい。
美しい流れは感じない分、少し力強い雰囲気になりました。
最後の1小節はドラムのフィルインが入りますが、これも無視してコードのルート音を鳴らしてみます。
まとめるとこうなります。
ドラムとベースのみの音源です。
最後のサビをアレンジする
間奏後のサビは階段状ラインを使って、さっきのサビと同様に作ります。
ただ、繰り返した時にドラムのリズムが変わるので、ベースも変えてみます。
繰り返した時のコード進行はC→G→Am→Em→F→C→(F→G)→Cです。
このコード進行を以下の様に区切ってみます。
それぞれのグループについて、コードの構成音に注目して下さい。
①はソが共通、②はミが共通、③はドが共通していることがわかります。
共通している音を青字にしています。
ここで、イントロで使ったベースラインの様に、2つの音を8分音符で交互に鳴らすことにしました。
1つ目の音は階段状ラインの音(赤字)
2つ目の音はグループの共通音(青字)
この2つの音を、交互に鳴らしてみます。
余りの2つはGコードとCコードですね。
これはさっきのサビと同じにします。
まとめるとこうなります。
ドラムとベースのみの音源です。
アウトロをアレンジしてみる
アウトロは、イントロと同じコード進行なのでそのまま同じにします。同じのを2回繰り返すことにしました。
まとめるとこうなります。
ドラムとベースのみの音源です。
改めて聴いてみる
これでベースのアレンジが完了しました。
改めて、アレンジ前後を聴き比べてみましょう。
ベースアレンジ前
ベースアレンジ後
ベースアレンジ前(ドラムとベースのみ)
ベースアレンジ後(ドラムとベースのみ)
ベースを変えるだけでも、結構雰囲気が変わりますね。
この曲は、ドラムとベースのリズムの変化によって場面転換を表現しています。
アレンジ後のドラムとベースだけでも、AメロやBメロなどの場面転換が分かりやすいと思います。
特にイントロとAメロとアウトロはコード進行は同じなのに、場面の転換を感じませんか?
また、サビと間奏とその後のサビもコード進行はほぼ同じですね。
これでドラムとベースのアレンジは完了とします。
もし他の楽器をアレンジしている時に違和感があったり、新しいアイデアが生まれたらいつでも修正して良いです。
まとめ
ベースが鳴らす音をベースラインという
ベースラインの考え方はメロディとほぼ同じ
コードの構成音にすれば違和感は少ない
コードの鳴らし始めと同じタイミングで鳴るベース音さえルートにしていれば、その後ある程度暴れても違和感は小さい
ドラムと同様に、ベースラインを変えることで場面の転換を表現できる
次は装飾的な音を追加して、派手になるようにアレンジします。
一応、次回で本編は最終回です。
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画像引用元
マッスルプラス
https://freephotomuscle.com
目からマッチョを補給して筋トレのモチベーションを上げています。
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