作ったボカロ曲を各種サブスクサービスで配信してみたいなぁ・・・。
ということで、ニコニコ(ドワンゴ)の楽曲収益化サービスを利用して、自分で作ったボカロ曲を各種配信サービスで配信してみました。
その手順や準備などをまとめた備忘録です。
楽曲収益化サービスとは?
ニコニコの「楽曲収益化サービス」とは、自分で作った楽曲を収益化するために必要な手続き等を代行してくれるサービスです。
登録料や年会費は無料なので、気軽に利用できます。
楽曲収益化サービスとは、あなたのオリジナル楽曲の収益化をお手伝いするサービスです。誰でも登録料・年会費が無料で1曲から申…
主なサービス内容は、以下の3つです。
・楽曲配信
・YouTubeコンテンツID
・著作権管理
この3つの内、必要なものを選択して申請します。
申請は1曲ずつ行うので、「この曲はコンテンツIDだけにしよう」「この曲の著作権管理は必要ないかなぁ」という利用も可能です。
僕はとりあえず3つ全部申請しています。
用意するもの
さてさて、申請するにあたり以下のデータを提出する必要があります。
①音源ファイル: 16bit / 44.1khz / wav形式 / ステレオ / 100MB以内
②歌詞ファイル: txt形式
③ジャケット画像: カラーモード RGB / 長辺3,000pixel以内かつ短辺1,000pixel以上 / JPEG形式 / 100MB以内 / (推奨:1,500×1,500pixel / 72dpi)
この他に、収益化において入金してもらう口座情報や、住所などの情報も必要です。
①音源ファイル
音源は.WAV形式にする必要があります。
Logic Proの例ですが、僕は以下の通りにバウンスしました。
他のDAWでも出力する情報は同じ様になるでしょうから、ご参考まで。
②歌詞ファイル
歌詞ファイルは.txt形式で提出する必要があります。
ファイルの内容は歌詞のみで、曲名などは記入してはいけません。
また、Macの人はリッチテキストではなく標準テキストにする必要があるので注意です。
僕はMacなので、その例をご紹介します。
(1)「テキストエディット」アプリにて歌詞を入力する
(2)フォーマット → 標準テキストにする
これで保存すれば、自動的に拡張子が.txtになっていると思います。
Windowsの場合は、右クリック→新規作成→テキストドキュメント 的な感じで作れば良いと思います。
③ジャケット画像
ジャケット画像は、とりあえず1500×1500ピクセル(.JPG形式)で作れば問題なさそうです。
僕は1000×1000ピクセルで申請してしまいましたが、問題ありませんでした。
今は1500×1500で申請しています。
ジャケット画像は「Canva」で作りました。
ウェブ上で簡単に作れますし、フォントも豊富なので重宝しています。
下のボタンからアクセスできます。
楽曲収益化サービスの申請手順
では、データの準備ができたら実際に申請してみましょう。
①必要事項の記入
まずは、以下サイトにアクセスし「楽曲を申請する」をクリックします。
楽曲収益化サービスとは、あなたのオリジナル楽曲の収益化をお手伝いするサービスです。誰でも登録料・年会費が無料で1曲から申…
入力フォームに沿って入力します。
「必須」と書いてあるところを埋めれば大丈夫です。
基本的に入力内容は人によるのですが、参考までに僕が入力した内容についてのメモを以下に記します。
◆メモ◆
・楽曲名(英字)は、楽曲名のローマ字表記でなくても良さそう
例・・・楽曲名:足跡 → 楽曲名(英字):First Footprint
・アーティスト名(英字)は、名前が先で名字が後でも良さそう
例・・・浅野りきや → RIKIYA ASANO
・音楽配信の楽曲ジャンルは「ボカロ」がある
情報の入力が完了したら、ページ下部の「送信」をクリックします。
これで情報の送信が完了し、楽曲の審査に移ります。
②楽曲審査の完了&口座情報の登録
申請してから数日〜数週間後に「楽曲審査が完了しました」というメールが登録したメールアドレス宛に届きます。
メールに記載のURLにアクセスし、表示される口座情報の入力フォームに内容を記入した後、「送信」をクリックしてください。
③口座情報の登録が完了したら、待つ
また数日〜数週間後、「口座情報登録が完了しました」というメールが届きます。
あとは待ちます。
④音楽配信・YouTubeコンテンツID登録が完了される
また更に数日〜数週間後「音楽配信・YouTubeコンテンツID登録完了」のメールが届きます。
申請自体が完了したという連絡なので、もうしばらくすれば各種配信サービスにて配信開始されます。
⑤実際に配信される
そして更に数日〜数週間後、各種配信サービスにて配信が開始されます。
配信開始のタイミングはサービスごとに違う上、配信開始の連絡は来ませんので適宜自分で確認しましょう。
こうして登録した配信先について、一部ご紹介します。
以下に僕のページに移動するボタンを作りましたので、各種配信先でどの様に配信されているかの見本としてご確認ください。
申請から配信までの所要期間について
楽曲収益化サービスに申請してから実際に配信されるまで、どれくらいの期間がかかったのかを以下に書きます。
①楽曲収益化サービスの申請:9/7
②楽曲審査の完了&口座情報の登録:9/25
③口座情報の登録完了:10/4
④音楽配信・YouTubeコンテンツID登録完了:10/20
⑤配信開始:10/31
9月7日に申請して、実際に配信が開始されたのが10月31日でした。
約2ヶ月くらいかかりましたね。
これは初めて申請した曲なので時間がかかった模様です。
2曲目以降はもう少しだけ早くなります(1ヶ月ちょっとくらい)
楽曲収益化サービスのメリット・デメリット
無事に配信が開始されたということで、楽曲収益化サービスのメリットとデメリットを考えてみます。
メリット
無料で収益化出来る
最大のメリットはこれではないでしょうか。
他の配信サービスでは登録料や年会費が必要な場合があるので、配信にかかる費用よりも収益が少ない場合、損益的にはどんどんマイナスになっていきます。
つまり、ある程度の再生数が見込めない場合は、無料で配信できた方が良いですね。
ニコニコの楽曲収益化サービスは還元率が若干しょっぱいですが、ランニングコストがかからないので損益的にマイナスにはなりません。
逆に言うと、既に人気が出ておりガンガン再生されるのであれば、ランニングコストがかかっても還元率の高いサービスを利用したほうがプラスになる可能性はあります。
僕の様なかけだしボカロPなら恐らくまだ再生数は見込めないので、還元率が低くても無料で配信できた方が良いでしょう。
配信先が豊富
楽曲の配信先一覧は、以下のページに記載されています。
楽曲収益化サービスとは、あなたのオリジナル楽曲の収益化をお手伝いするサービスです。誰でも登録料・年会費が無料で1曲から申…
一部の配信サービスは上に載せましたが、それ以外にも沢山ありますね。
一度申請するだけで、こんなにも多くのサービスから配信されるのは非常に便利かと思います。
デメリット
配信開始まで時間がかかる&開始連絡もない
現時点では、申請してから少なくとも1ヶ月以上はかかります。
初めて申請する場合は、2ヶ月弱かかることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
しかも、実際に配信が開始されたとしてもその連絡がないので、いつの間にか配信されてた・・・なんてことになる可能性があります。
現在は、おおよその配信開始日はメールに記載されるようになりました。
アルバムでの配信ができない
配信を申請するのは1曲単位であるため、アルバムの様に複数の曲をまとめて配信する事ができません。
アルバムを配信したいのであれば、他のサービスから探した方が良いでしょう。
将来的に機能が増えて、アルバムで配信出来る様になれば良んですが・・・。
管理画面(マイページ)的なモノがない
自分のどの曲が楽曲収益化サービスを利用しているのか、申請内容は何なのか、現在の手続きの段階や配信状況など、情報を得られるマイページ的な画面がありません。
つまり、自分がどの曲についてどんな内容で申請したか、現在の配信状況、契約更新日などは自分で把握しておく必要があります。
個人的には、これが一番痛いですね・・・。
せめて利用者マイページ的なものは用意してほしいです。
実際に、僕は著作権管理も申請しているのですが、現在どんな状況なのか全く把握できていません。
ニコニコアカウントと連携でも構わないので、マイページを作ってください・・・どうか・・・どうか・・・。
まぁ、アーティストページ的なものがあれば一番良いんですけどね。
僕はこのブログがあるので、アーティストページ的なものは自分で作れます。
しかし、自分のウェブサイトを持っていない人にとっては、アーティストページ的なものを作れるサービスの方が喜ばれるのではないでしょうか。
例えば「BIG UP!」とか。
初音ミクなどのVOCALOIDほか歌声合成ソフトを使用した曲でも登録出来ますし、簡易的なアーティストページも作れます。
管理画面もあるっぽいですし、これだけの要素が揃っているにも関わらず無料で利用することも出来ます。
楽曲配信サービスの選択肢の一つとなるでしょう。
そういった意味では、BIG UP!と比較してニコニコの楽曲収益化サービスはかゆいところに手が届かないもどかしさはあります。
まとめ
無料で配信できるのは非常に便利ですし、もし収益が発生したら完全に利益になるので、本当にありがたいと思います。
ただ、管理用のマイページが無いという点では、他の配信サービスの方が楽曲の管理はしやすいのではないでしょうか。
まぁ、それでもニコニコの楽曲収益化サービスを使い続けてみます。
一応、僕は初音ミクと曲を作っているボカロPであり、この様な初音ミクを始めとしたVOCALOID文化、そしてその「歌ってみた」などのグラスルーツ的な音楽活動は、先人たちがニコニコ動画で作って育ててきたものが土台となっていると思っています。
だからこそ、そういったものへの尊敬と経緯を含めて、自分がボカロ曲を配信するならニコニコの楽曲収益化サービスを使ってみようと思いました。
ですが、使ってみた感想としては、正直ちょっと使いづらさは感じます。
せめて管理者マイページは作ってほしかった。
とはいえ、まだ把握していないこともありますし、これから先改善される可能性ももちろんあるでしょうから、ひとまずはこのままこのサービスを利用させていただこうかと思います。
他の配信サービスの情報を集めて検討しつつ、色々な選択肢を常に探ってみるのが良さそうですね。
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