【日記】ドリームサーキットの年末3時間耐久レースに参戦しました【感動の結末?】

久しぶりのレースでした。

4年ぶりにレースに出まして、頑張ったのでその日記です・・・。

(普段とは少し違い、読み物としても楽しんで頂けることを心がけて書きました。)

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ドリームサーキットって?

ドリームサーキットは、兵庫県姫路市夢前町にあるサーキットです。

僕はこのドリームサーキットでカートを始めて腕を磨きました。僕のレースキャリアが始まったサーキットです。

メインはレンタルカートだと思いますが、持ち込みでレーシングカートバイク、オフロードコースではオフロードバイクでの走行が可能で、老若男女問わず沢山の人がモータースポーツを楽しめるアットホームな暖かい場所・・・という印象です。

レンタルカートといえば、日本では恐らくビレルN35という重い車体に200ccの4サイクルエンジンを搭載したカートが最も一般的だと思います。

エンジンは施設によって違いますけど、おおよそそんな感じです。

頑丈で鈍重なビレルN35に対して、ドリームサーキットのレンタルカートは、レーシングカートの軽いフレームにスバル製210cc4サイクルエンジンを搭載した、いわゆる”スポーツカート”と呼ばれるカテゴリーのカートです。

ビレルN35より遥かに軽いので、非常に機敏で速いですね。

僕はどっちも好きですが、経験値的にはドリームサーキットのスポーツカートが一番走行回数が多いと思います。

ドリームサーキットのカートのタイヤはフロントがチェンシン、リアがユニリーでした。(2024年12月時点)

印象としては、温まるまではオーバーステア、温まってからは若干アンダーステアな感じですね。(個人の感想です)

社長も親切で走るのも非常に楽しく、ドリームサーキット出身で活躍している選手は四輪・二輪問わずいるくらい実力も磨ける良いサーキットです!


ちなみにですが、僕がレースをしていた頃に作ってもらったヘルメットには、ドリームサーキットのロゴが入っています。

僕はsparcoのヘルメット(RF-5W)をアズメリープレゼンツさんにてオリジナルペイントしてもらったので、このデザインは世界で唯一僕だけのものです。

「黄色が好きなのと、イニシャルのRをモチーフにして下さい」とオーダーしてデザインして頂きました。正直これよりカッコいいヘルメットを見たことがありません。

ちなみにsparcoのヘルメットは2025年に新型が発売される模様です。

アズメリープレゼンツへのペイント依頼は、モーターレーシングストアStar5さんにてお願いしました。

モーターレーシングストアStar5高崎さんには本当にお世話になりまして、ドリームサーキットで燻っていた僕を広い世界へ連れて行ってくださり、今現在の僕の価値観に大きな影響を与えてくださった恩人です。

僕はいま、主に金銭的な面でレース活動に一旦終止符を打たざるを得なくなってしまった結果こんなんになっちゃった訳ですが、いつかまた四輪レースはしたいですね。

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僕のヘルメットのおでこと後頭部、バイザーステッカーにはStar5のロゴが入っています。

レーシングギアに迷ったらStar5でsparco買いましょう。

僕はヘルメットからレーシングスーツ、グローブにシューズ・・・全身sparcoで揃えています。

どういう流れで今回レースに出ることになったの?

僕のレース活動について書くと長くなるので、ドリームサーキットに話を戻します。

ドリームサーキットでは、毎年12/30に3時間耐久レース(通称:年末耐久)が開催されることが恒例となっております。

しかも、この年末耐久は関西のレンタルカート界隈では昔から非常にレベルが高いことで有名らしく、僕も勝ったことがありません。

そもそも、年末年始でもレースに出たがるようなレースジャンキーが集まるので、レベルが低い訳がない・・・。

かつては僕もそのジャンキーの一人だったんですが、前述の通りレース活動は一旦終了してまして・・・。

2020年の年末耐久を最後にレースは全くしておらず、他のサーキットでレンタルカート(ビレルN35)を数回遊びで乗っただけのエンジョイ勢未満に成り果てていました。

今年も年末耐久に出場する気は無かったんですけどね。夜に忘年会が入ってましたので・・・。
カメラマンとして写真係ならやろうかなと企んでましたが・・・。

そんななか、友人の村上からレースの10日前くらいに連絡が来ました。

◆登場人物紹介①◆
村上・・・僕の高専時代の友人。同じ釜のピザを食べた仲。
僕がレースしてた頃はドリームサーキットの耐久レースでは一緒にチームを組んで参加していた。
現在もレース活動をしており、岡山国際サーキットでのロードスターパーティレースで優勝した実績を持つ。実力は全盛期の僕よりちょっとだけ上(くやしい)。SNSは面倒らしい。

ブリヂストンがタイヤ供給するマツダグラスルーツカテゴリーレポート「ロードスター・パーティレースⅢ 西日本 NDクラブマン…

以下、要約したやり取り

久しぶり!今年のドリームの年末耐久に一緒に出よう!

久しぶり!4年くらい走ってないから流石にもう戦力外やで・・・。

浅野(りきや)が来てくれたら、スペシャルチームが組めて勝ちを狙えるから!

・・・じゃあいっちょやりますか!

我ながらチョロい。

「スペシャルチーム組める」とまで言われちゃうとね・・・”漢”見せたるわ!って感じですね。

また、年末耐久はだいたい3〜5人でチームを組みますが、足りない場合や1人で参加する場合はサーキット側がチームを組んでくれます。

他のチームメイトは決まってるん?

名村さんっていう速い人にはもう声かけてる!

名村さん・・・?多分はじめましてやな。

◆登場人物紹介②◆
名村さん・・・村上の知り合い。レンタルカートレースやモトクロスの経験者。
現在は主にレーシングシミュレーター(iRacing)でレースをしており、僕がレースしてた頃にお世話になっていたレーシングシミュレーターショップ”VERSUS”のe-Sportsチームにてマネージャーもしている。

←※レース中に写真を撮る暇が無かったので、アイコンにて代用。
名村さんごめんなさいm(_ _)m

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レーシングシミュレーターで興奮のバトルを!プロドライバーが練習で使用するリアルなドライビング体験が可能なのは、VERSU…

僕のヘルメットのアゴと後頭部にはVERSUSのロゴが入っています。

というわけで、村上&名村さんに僕を加えた3人でレースに出ることになりました。

確かに今までの俺の年末耐久の中では、過去イチのスペシャルチームかもな・・・。
懸念は俺の腕がどこまで落ちてるか・・・。

流石に4年間も走ってないポンコツがぶっつけ本番で走るわけにはいかないので、本番前に3日間(7分×10回くらい)練習しました。

当然完璧とまではいかなくとも、ある程度走れるくらいには感覚が戻ってきましたね。

レースの作戦は?

ここで、ドリームサーキットの耐久レースのルールを簡単にご紹介します。

・レース時間は3時間
・スターティンググリッドはくじ引きで決定
・ガソリンは2リットルでスタート、ピットにてドライバー交代の度に1リットル給油可能
・ドライバー交代時のピットストップ時間は、交代で次に乗車するドライバーの体重によって決定
 (~50kg未満:130秒 50kg~:115秒 60kg~:100秒 70kg~:85秒 80kg~:70秒)

給油なしで走り切ることは燃費的に不可能なので、ドライバー交代によるピットストップは必須です。

恐らくセオリーはドライバー交代は5回です。

僕と村上は過去の年末耐久でピットストップによるタイムロスを減らすためにドライバー交代を4回にして、残り3分くらいでガス欠によりリタイアした経験があります・・・。

また、交代で乗り込むドライバーの体重によって停止時間が決定され、重い人ほど停止時間が短いです。

軽い人は物理的に速く走れて燃費も良いですが、その分ピットストップ時間が長いデメリットがあります。

逆に重い人は物理的に速く走りづらく、燃費も悪くなる傾向がありますが、ピットストップ時間が短いメリットがあります。

戦略性がありますね・・・!

僕らのチームは、村上:50kg〜、りきや:60kg〜、名村さん:70kg〜 というバランスの取れたメンバーです。村上がスペシャルチームと言っていた理由もわかりますね。

村上は速いですが、ピットストップが長いのでスタートだけ担当、出来るだけ長く走ってもらいます。

あとは僕と名村さんで走りますが、名村さんの方がピット時間が短いので乗車回数を多くする・・・という効率の良い作戦が取れます。

というわけで、このような作戦になりました↓

①村上(50分)
②名村さん(20分)
③りきや(35分)
④名村さん(20分)
⑤りきや(30分)
⑥名村さん(25分)

あとは各人の体力や周りの状況を見ながら、臨機応変に作戦を組み立てていくことにしました。

また、無線による通話が可能なので、レース中はドライバーとピットが通話しながら作戦のやり取りをします。

レーススタート!

(↑本番直前の練習走行にて)

まず、くじ引きによってスターティンググリッドを決めるのですが、名村さんが引いたのは2番手!好位置ですね!

スタートは各チーム軽めの人が担当するので、当然速い人が揃います。

頼んだぞ村上・・・!

レース開始時間になると、ローリングスタートによりレースが開始されます。

村上は1位の選手に離されることなく食らいついて行き、後続を大きく引き離しつつチーム内のベストタイムを刻みながら約50分間走ってくれて、2位キープで名村さんと交代しました。


続いては名村さん(1回目)。体重が重いというハンデがありますが、周りの70kg台の選手より速いタイムで約20分間走り、なんと1位で僕にバトンを渡してくれました。

村上くんの時からだけど、最終コーナーとかの強いGがかかる時にエンジンが息継ぎするから気を付けてね。

了解です。念のため燃費走行しておきますね。

ガソリンが減ってきた時に強い横Gがかかると、ガソリンがタンク内で端に寄って、ポンプがガソリンを吸えなくなってエンジンの息継ぎが起こる模様です。

これはガス欠の予兆ではあるので、出来れば起こって欲しくない症状ですね。

僕はガソリンの残量に気をつけながら走ることにしましょうか。


そんな会話をしつつ僕はピットアウトし、数周走った後に無線でピットから情報を貰います。

ピットからの指示は名村さんが担当してくれました。

流石、VERSUSのe-Sportsチームのマネージャーですね。

【レース中】僕と2位のペース差を教えて下さい。

【ピット】毎周0.3〜0.5秒くらい離してるよ!この調子!

【レース中】了解です!念のために若干燃費走行して良いですか?

【ピット】分かった!少しタイムを落としてもまだ余裕あるからね!

幸い、少しペースを落として燃費走行しても2位のチームに対して差を広げつつあったので、差が縮まらない程度のペースを維持しつつ環境に優しい走りをしました。SDGsです。

具体的には、出来るだけ大きいライン取りでボトムスピードを高め、アクセルオンは緩やかに、かつアクセルオフの時間は長めに、タイヤは滑らせず・・・といった感じで走りました。(これで燃費走行できているかは不明)

最終コーナーは普段はアクセル全開なのですが、今回はゆるくアクセルオフしたりしてましたね。

そんな感じで約40分走り、1位を守れました。

【ピット】この周でピットに入ってきて!

【レース中】了解です!

僕の1回目が終了して名村さん(2回目)に交代しまして、その後の名村さんも燃費を考えながら1位を守り切る走りをしてくれました。


【ピット】体力的に25分くらい走れますか?

【レース中】ちょっとしんどいかも・・・20分でも良い?

【ピット】了解です。20分でお願いします!

名村さんは普段レーシングシミュレーターがメインなので、実際にGがかかる実車での走行は体力や腕力の消耗が激しい模様です。

それでも周りより良いペースを刻んでくれて、1位のまま僕(2回目)に交代しました。


【レース中】今回は30分くらいで良いですかね?

【ピット】了解!様子見て考えます!

ぼくが数周走った後で、何やらピットの方が騒がしくなりました。

【ピット】もしかしたら、2位のチームはドライバー交代4回の作戦で来るかもしれん!
今走ってる人がアンカーやと思う!

【ピット】もしそうだとすると、ウチが作戦通りドライバー交代を5回にしたら逆転される!

【ピット】ドライバー交代の時にタンクの中を見た!ガソリン残量的にはギリギリ大丈夫やと思うから、ウチもドライバー交代4回作戦に切り替えよう!このままゴールまで頼んだ!

【レース中】え、マジで・・・?あと30分以上あるのに・・・?

なんと、現在2位のチームはドライバー交代4回の作戦にした模様です。
1回目の僕が燃費走行をしても差を広げられたのは、相手も燃費走行をしていたからか!?とドキッとしました。

現在1位の僕らと2位のチームの差は約20秒程度、もし僕らがドライバー交代のためにピットインした時の停止時間は、短い名村さんでも85秒です。

つまり、もしドライバー交代のためにピットインすると逆転されてしまいます。

ちなみに、現在2位のチームで走っているのはアンカー担当でスペシャルゲストの廣島嵩真(ひろしま しゅうま)選手。

◆登場人物紹介③◆
廣島嵩真選手・・・TEAM 5ZIGENのレーシングドライバー。2024年のTGR Yaris Cup 関西シリーズのチャンピオン。Star5の高崎さんが代表を務めるAVANTECH Racing Teamにおいて、僕のヴィッツレースの先輩である選手。
(廣島選手:2017〜2018年、りきや:2020年)

もし逆転覚悟で僕から村上に交代したとしても、今回参戦している中で実力も実績もNo.1である廣島選手に対して、ピットでの停止時間(115秒)を追い上げられるくらい速く走れる可能性は・・・いくら村上でもほぼ不可能でしょう。

なので僕らが勝つためには「このまま僕がゴールまでの30分ちょっとの間、廣島選手から逃げ切る」以外の選択肢がありません。

しかも、ドライバー交代を5回から4回に減らしたということは、1回分の燃料補給が出来ないということ。

なので、ガソリンの残量を見誤って全力で逃げるとガス欠でリタイアする可能性があります。

【レース中】つまり燃費走行をしながら、自分より速い廣島選手から逃げ切らないと勝てない・・・?

無線で聞いたタイム的には僕が31.5〜31.7秒/周、廣島選手が31.3〜31.5秒/周くらいで、毎周0.2〜0.5秒くらい追いつかれている状況です。

【レース中】残り時間と廣島選手のペース的に・・・いや走りながら計算する余裕ないわ

もうやり切るしかない、と覚悟を決めました。


じりじりと追いつかれながら残り20分。

【ピット】後ろとの差は15秒くらい!逃げ切れるよ!

【レース中】・・・頑張ります!

途中、周回遅れのチームの檜皮(ひわ)選手に追いつかれたので、道を譲って前を走ってもらいました。

◆登場人物紹介④◆
檜皮選手・・・熟練カーター。2015、2016年のドリームサーキットのグランプリ(D1GP)チャンピオン。優しくて落ち着きのあるカッコいい大人。もちろん速い。
僕がボコボコの最下位で終えた人生初レース(2016年D1GP最終戦)にて2連覇を確定させたので、遥か遠い人のイメージ。

ただ、檜皮選手も僕の前に出ると思いのほかペースが上がらず、僕と同じくらいのタイムで走っていました。

なので、前を走る檜皮選手の後ろに僕がひっついて走る周回が続きました。

数周すると、ピットから無線が入ります。

【ピット】どうする?前の車(檜皮選手)にブルーフラッグを出してもらう?

※ブルーフラッグ:下位の車が上位の車に追いつかれた時、レースの審判が「後続車両に道を譲れ」と指示する時に降る旗。これが振られると前方車両は後続車両に前を譲らなければならない。(今回の場合は、檜皮選手が僕に前を譲る)

【レース中】・・・大丈夫です!ここはついて行った方が良い!

【ピット】廣島選手との間に1台でもいた方が壁になってくれて順位を守れるんじゃないの?

【レース中】・・・いや、大丈夫です!このまま行きます!

僕は檜皮選手前を譲ってもらう選択をしませんでした。

これには考えがあり、前にいる檜皮選手の周回タイムを無線で聞くと、廣島選手とはペース的にそれほど変わらないと思ったので、檜皮選手の背後にピッタリ付いて走れば、廣島選手との差を考えながら空気抵抗を大きく減らすことが出来るため、燃料を節約しつつも速く走れると感じたからです。

要するに、僕と廣島選手との間に入って守ってもらうより、僕の前でペースを作ってもらった方がメリットが大きいと考えました。

あと、シンプルに僕が前に出ても檜皮選手より速く走れないと思いました。

現に、檜皮選手の方が僕より速かったので追いつかれた訳ですし。

僕が檜皮選手について行けているのは、彼の真後ろで空気抵抗を減らしているからです。(スリップストリームといいます)


そうして檜皮選手に数分引っ張ってもらってる間にも、廣島選手は後ろから猛追してきます。

残り時間は10分、僕は走行時間が合計で70分を超え、体力的にも限界が近くなりハンドルが切れずに車を曲げられなくなってきました。

ガソリンも残り少なく、エンジンが息継ぎして加速も鈍くなりました。もう燃費を考えずに全開で走っても、燃費走行と変わらないタイムでしか走れません。

すぐ目の前にいた檜皮選手にも大きく引き離されてしまい、空気抵抗を抑えることが出来なくなりました。

廣島選手は僕の数秒後ろにいて、もう二人の間に他の車はありません。


残り時間が5分を切ったくらいで、僕の視界から廣島選手が消え、彼の車のエンジン音が聞こえ始めました。

カートにはミラーが付いていないので、すぐ後ろまで迫られると視界から消えます。

代わりに、背後の車のエンジン音が聞こえるので気配を感じます。

【ピット】あと5分!君なら勝てるよ!

【レース中】・・・(答える余裕がない)


残り時間が2分になった頃、廣島選手は完全に僕の真後ろに迫ってました。

僕は体力もガソリンも限界に近く、もはや戦うための武器が脳しかない状態でした。

廣島選手は今にもバトルを仕掛けて来そうな雰囲気があり、僕はコーナーのイン側を刺されないために少しライン取りを変えるくらいしか出来ることはありません。

防戦一方、絶体絶命です。

【レース中】守りどころだけ押さえて、残りの2分くらいは耐えてみせる・・・!

ドリームサーキットの走行経験は僕の方が多いので、バトルを仕掛けるコーナーは把握しています。

ただ、相手との実力差は明白・・・もはや決意や覚悟ではなく、願いや祈りに近い感情でした。


何とか廣島選手から逃げて、残り時間が1分になった頃・・・。背後の気配が消えました。

まさか・・・と思っていると、ピットから無線が入ります。

【ピット】廣島選手ガス欠!廣島選手ガス欠!

【レース中】マジですか・・・!?

振り向いてみると、確かに廣島選手の車が力なく止まっています。

それもそのはず、僕のガソリンが限界に近いということは、同じ作戦を取った廣島選手のガソリンも限界だった訳です。

廣島選手は僕より速く走っていたので、僕よりもガソリンの消費が多かったのでしょう。

【ピット】もう大丈夫!あとはゴールするだけ!

これで一安心・・・出来るはずがありません。

というのも、廣島選手がガス欠でリタイアしたということは、同じ作戦を取った僕ももうすぐガス欠でリタイアする可能性は高いです。

【レース中】廣島選手の更に後ろの車との差は?
もう燃料がないから、かなり燃費走行しても大丈夫ですか?

【ピット】廣島選手の後ろは周回遅れだから、タイムは気にしなくて大丈夫!
ゴールすれば優勝や!

【レース中】了解です・・・!

2位の廣島選手チームが脱落し、その後ろは周回遅れなので、僕らはゴールすれば優勝という状況でした。

僕は後ろを気にすることなくペースを落として、無事にゴールすることだけを考えて燃費走行をし・・・何とか1位のままチェッカーフラッグを受けることが出来ました!

【ピット】優勝やで!お疲れ様!

【レース中】ありがとうございます・・・。

ピットへ帰ると、出場された皆さんや応援の皆さん、運営の皆さんが拍手で迎えてくれました。

僕は車を止めましたが、すぐに立ち上がれない程度には心身ともに疲れていました。

僕は今回のレースで合計約80分以上レーススピードで走ってましたので、アドレナリンが切れたら疲労困憊でもう動けませんでした。

(廣島選手はバトルしたかった〜!と笑ってました。どうか勘弁してください・・・。)

レース後に僕らの車のガソリンの残量を見ると、ガソリンタンクからエンジンへ繋がるチューブの途中までしかありませんでした。

もしあと数分あれば僕らもガス欠でリタイアでしたし、もし僕と廣島選手の燃料が充分だったら廣島選手は僕の前に出ることが出来たでしょう。

今回の優勝は、スタートでチームのベストタイムを刻みながら走った上に4回ピットで走りきれる判断をした村上と、燃費走行しつつも1位で僕にバトンを繋ぎピットから的確な指示をしてくれた名村さんのお陰でした。

僕は諸々の状況が重なり、運だけは良かったみたいです。

”漢”浅野を見せられたわ・・・。ありがとう!

いや、こちらこそありがとう・・・。流石に疲れたわ・・・。

感想

ホンマに疲れました。優勝できて嬉しいです。

こんなにも時間が経つのが遅く感じたレースは、人生で二度目です。(一度目は2018年のDualAttack決勝カートレース)

何より、4年ぶりのレースで、しかも魔境と呼ばれるドリームの年末耐久でまさか本当に優勝できるとは思いませんでした。

村上は最初から「勝ちを狙える」と言ってましたが、実は僕は本心では「流石にそんなに甘くないやろな・・・。」と思ってました。

良くて表彰台かなぁ、流石に優勝はないかなぁ、と予想してました。村上ホンマごめんよ。

しかもこんなドラマチックな展開があるとは・・・無線での会話を分かりやすくするために少しだけ言い方を変更してますが、会話内容やレース展開自体はほぼ全くこの通りですからね。

僕は肉体的にも限界まで絞り出したので、この記事を書いている現在も全身筋肉痛です。

でもやっぱりレースは楽しい。ドリームサーキットの田路社長をはじめ、今回戦った廣島くんや檜皮さんを含めたお久しぶりの方々にも沢山会えて戦えたので嬉しかったです。

これからはたまにドリームサーキット走ろう。2025年も年末耐久出るのかな。

村上、名村さん、皆様ありがとうございました。またお会いしたらお手柔らかによろしくお願いしますね。

追伸

↑廣島選手のFacebookの記事。

改めてヤリスカップのチャンピオンおめでとうございます。

これからもこっそり応援しています・・・!

いつか一緒のチームで走ってみたいですね。田路社長にお願いしてみようかな。

僕は僕で頑張ります。


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